まほらば特設ページ/裏表紙の英文と鳴滝荘の住民について
2005/7/17

コミックの裏表紙にはこんな一文が書かれている。


One has distress.
Another got hopeless longing.
There,accept such sorrow,
Our precious treasured place
"MAHORABA"


まほろばさーちから引用だが、日本語に訳すと、

ある人は苦悩を抱え、またある人は挫折を余儀なくされる・・・。
そこは彼等のように苦痛に満ちた人でさえも受け入れてくれるかけがえのない大切な場所、まほらば
http://mahoraba.cside.to/study/about_m/mahoraba_int.htmから引用


である。
さて、ここでふと気づいたことがある。
梢ちゃんの多重人格に注目が集まって、鳴滝荘の住民についてはあまり目が向いていないかもしれない。

しかし鳴滝荘の住民についてよくよく見てみると、
・誰が見てもダメ人間の黒崎沙夜子
・腕人形を通じてしか会話の出来ない灰原
と、どこか心に傷を負っているのかもしれない人がいる。
沙夜子の場合については実際に心に傷を負っていたのであろう。
だが血はつながってなくとも娘の朝美が心の支えとなって、今日まで朝美を育ててきたのだろう。
まさに母は強しといったところか。
今は逆に育てられているようにも見えるが(汗)

灰原にしても、なぜ腕人形を通じてしか会話が出来ないのか。
腕人形を取られたときの異様なまでの態度。
場面によっては怯えているようにも見えるその態度から、灰原にとって何か重大な事件があり、それが心の傷となっているのかもしれない。

また、一見普通?に見える珠美や桃乃にしても、過去を見れば、
・物事に対して飲み込みがはやく、何でもそつなくこなせてしまうが故に充実感、達成感に欠けた珠美
・ピアノが上手だったがプレッシャーに負け、手首にためらい傷があり、自分には何も無いと感じていた桃乃
珠美に関して言えば、梢ちゃんに出会うことによって救われたのかもしれないが、何処と無く依存症的な愛情を梢に対して向けていたのではないかとも思える。
自分は梢に必要とされている、梢の病気を治せるのは自分しかしないと。

ともかく、そのようなどこか心に傷を負っているキャラクター達が鳴滝荘には住んでいる。
そして、そのような人達をやさしく暖かく受け入れてくれているのが鳴滝荘であり、大家である梢ちゃんなのではなかろうか。

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