まほらば特設ページ/オカ研部長の占いの結果から考察
2005/7/17

17話「部長」(コミック3巻)の作中、オカルト研究部(通称オカ研)の部長(名前がない)が各キャラクターについて占いを行っていた。
この占いに注目すると、まほらばという作品の今後の展開が垣間見えてくるのではなかろうか。

桃乃恵についてはクリスタロマンシー(水晶占い)について、他の者達はタロー(タロット占い)についての結果を表にまとめてみた。
なお占いの結果については、オカ研部長の台詞をそのまま載せてある。
ひらがなとカタカナが混ざって打ちづらいわ(T-T)

キャラクター 珠美に付けられたあだ名 象徴するカード 導かれる未来
桃乃恵 あばずれ クリスタロマンシー(水晶占い)のためカード無し そウ遠クなイ未来
遠方ヨリ待ち人が来たル
旅先に難アリ
生水に注意
ラッキーカラーはパールピンク
黒崎朝美 テンペランスフォーティーン
「節制」
錯綜スル人間関係
潜伏スル思い
突然の変化
愛ユエの過ち
灰原由起夫 犬畜生 ハーミットナイン
「隠者」
俗世ヲ離脱シタ賢者
澄んダ知性の持ち主
長く平坦な道
果ての岐路
大きな干渉
決断の時
黒崎沙夜 クズ人間 デスサーティーン
「死神」
全ての停止と再生
闇ヨリ迫る手
抗いヨウの無い強制力
取り返シのツカない悔恨
溢れル無力感
すれ違ウ想い
決断の時
蒼葉梢 - ワールドトゥエンティワン
「世界」
素晴ラシい完成と終結
盤石の愛
救いの手
光の出口
運命の邂逅
彷徨う道程
大いなる受難
未知への恐怖
白鳥隆士 タマなし ハングマントゥエルブ
「吊られた男」
忍耐と努力の達人
試練の連続
逆境の坂
二ツの道
小さな幸せ
圧倒されル責任
決断の時


○桃乃梢に関する考察

「そウ遠クなイ未来」「遠方ヨリ待ち人が来たル」とは遠距離恋愛にある彼が戻ってくることを示しているのであろう。
だが、「旅先に難アリ」からそう簡単に彼と出会うことは出来ないのかもしれない。

「生水に注意」「ラッキーカラーはパールピンク」はなんか取って付けたような結果なのであまり触れないことにした。

○黒崎朝美に関する考察

「錯綜スル人間関係」「潜伏スル思い」「突然の変化」「愛ユエの過ち」というのは6巻の30〜32話で描かれた話ではなかろうか。
「錯綜スル人間関係」とは生い立ちについて。
「潜伏スル思い」とは黒崎沙夜の父親(朝美にとって義理の祖父)が抱いていた気持ち。
「突然の変化」とは拉致同然で黒崎沙夜の実家につれてこられたこと。
そして祖父が「愛ユエの過ち」によって引き起こした事件であったこと。

だがこれからは幸せにすごして行くことになるのであろう。

○灰原由起夫に関する考察

作中、腕人形のジョニーよりも影が薄い印象を与えられているが、占いの結果をみると何気に重要な役割が与えられているのではなかろうか。

「長く平坦な道」とは、物語が佳境に入るまでは何事も無くすごしていくことになる。
だが、物語が佳境に入ると「果ての岐路」が現れることになる。
もしかすると、梢と白鳥に対して「大きな干渉」を与えることになるのかもしれない。
そして灰原にとって「決断の時」が訪れることになるのかもしれない。

灰原は最後の最後で重要な役割を与えられているのではなかろうか。

○黒崎沙夜子に関する考察

「闇ヨリ迫る手」「抗いヨウの無い強制力」というのは父親によって実家に連れ戻されることを示している。
「すれ違ウ想い」とは沙夜子と父親との意見の相違、思いの違いを示しているのであろう。
そしてこれからも娘とともに鳴滝荘で暮らしていくこと決断した。
それこそ「決断の時」を示しているように思えるが、少し待ってもらいたい。
このページを作成している段階において「取り返シのツカない悔恨」はまだ現れていないと思われる。
何故なら、沙夜子は家を出たこと、そしてこれからも娘とともに鳴滝荘で暮らすことについて悔やんではいない。
「溢れル無力感」については普段からそうだろうという気もしなくもないが、それならわざわざ伏線に含める意味もない。

だが、物語が佳境にむかい何か重大な事件がおこり「取り返シのツカない悔恨」から「溢れル無力感」を感じることになるかもしれない。
そして「決断の時」を迎えることになるのかもしれない。

○蒼葉梢に関する考察

現状を示す『「世界」素晴ラシい完成と終結』というのは、このまほらばという作品において中心となる人物であることを示してある。
それと同時に『素晴らしい完成と終結』の言葉どおりに、物語の最後にはハッピーエンドになるという意味も含まれているのかもしれない。
現状であると同時に未来についても示している。

導かれる未来について、占いの結果を元に推察してみる。
「運命の邂逅」(邂逅:思いがけなく出会うこと。めぐりあい。)からは、今後物語にとってかなりの重要人物が現れるのかもしれないし、もしかするともう既に現れていのかもしれない。

「大いなる受難」「未知への恐怖」から、何か重大な事件がおきて、それをきっかけに多重人格の自覚と、他の人格たちと直に向き合うことになることになるのであろう。
今まで自覚していなかった多重人格を自覚するわけで、今まで知らなかったことを知ることになりそれに対する恐れ、それは「未知への恐怖」ということになるのでる。
それは梢にとって最大の試練となるのであろう。

「彷徨う道程」から、梢の過去について、白鳥とはどのようにして出会ったのか、そして多重人格へ至った経緯が明らかにされるのかもしれない。

そして、多重人格について自覚することにより「未知への恐怖」と戦うことになり苦しむことになるが、「盤石の愛」をもって「救いの手」を差し伸べられ「光の出口」へと導かれることになるのだ。
それはもちろん白鳥の役目になるのであろう。
白鳥隆士に関する考察にも関わるところではあるが、白鳥に課せられた責任はかなり重たいものがある。

だが先に述べたように『素晴らしい完成と終結』とあることから、最後には試練を乗り越えハッピーエンドとなるのだろう。

○白鳥隆士に関する考察

「小さな幸せ」というのは、8巻で梢に告白し恋人同士となれたことを示すのではないか。
だが、それだけでは終わらない。
これから「試練の連続」が訪れることになる。

梢が多重人格を意識し「大いなる受難」「未知への恐怖」と戦うことになるが、そこで「盤石の愛」をもって「救いの手」を差し伸べてやらなければならない。
だが、それは簡単にはいかず「逆境の坂」を上り続けることになるのである。
そこで「二ツの道」が現れ「決断の時」を迫られるのである。
ここで道を誤ると梢は不幸な結果が訪れることになる。
正しい道を選び梢を救わなければならない責任は重く、まさに「圧倒されル責任」となるのであろう。


灰原由起夫、黒崎沙夜子、白鳥隆士に共通して「決断の時」がある。
黒崎沙夜子については伏線として解消済みかどうか判断しづらいところがある。
が、上にも描いたとおりこの後に何かがあるかもしれない。

3人に同じ「決断の時」が現れているのは、物語が佳境に向かうにつて重要な役割が与えらることになるのかもしれない。


この作品、この占いに関わらず伏線と思われる場面は数多く出ている。
黒崎母娘に関する伏線は巧妙に張られているし、梢、白鳥に関しては物語を読めば更に伏線が張られていることに気づく。
4話のメイドなど、最初にはじめて読んだ人にとっては使い捨てで終わるキャラに写ったかもしれない。
だが使い捨てではなく、梢のクラスメートの姉として再び登場した。
次に登場したときには、黒崎母娘のエピソードに関わってくるのである。
そして黒崎母娘の伏線は見事解消されている。
最近のマンガにありがちな、伏線張るだけ張って解消できずに終わる作品が多い中、この作品の原作者たる小島氏には既に最終回に至るまでの綿密なプロットが出来上がっているのかもしれない。


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