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【SS】アスカとシンジ
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今、まさに最後の戦いが始まろうとした。しかし、ゼーレの量産エヴァの裏切り
によりゼーレは消滅。そして人類補完計画は失敗。サードインパクトも不発。世界
は平和になった。
そしてエヴァは不要となった。
しかし、エヴァ弐号機の中に自分の母親を見つけたアスカはエヴァが封印されて
しまったため、再び殻に閉じこもろうとしていた。
「エヴァが封印されてしまった。私の存在する理由も無くなった。ママに会うこと
もできない」
アスカは自分の部屋でうずくまっていた。
「アスカ・・・部屋に入っていい?」
「こないで!」
「話だけでも聞いて」
「うるさい!もうわたしなんて不要なのよ!」
「何でそんなことを言うんだよ!」
「エヴァがなければわたしが存在する理由なんかないのよ。エヴァがなければ誰も
見てくれないの。エヴァの中にママがいたの。でも、エヴァがいなくなったらママ
も見てくれなくなる!」
「・・・アスカも一緒だ・・・僕と・・・」
「何であんたなんかと!」
「僕もここの来て、エヴァに乗って初めてここにいていいんだと思った。でも、そ
れは違う。自分の意志もなくただエヴァに乗って戦って。でも、エヴァが無くなっ
て何となくわかった。エヴァだけじゃないんだ。」
「だから何よ!ママと別れろっていうの!」
「エヴァにだけ、母親にだけ頼ってはいけないと思う・・・。そして他の人に受け
入れてもらうだけじゃいけないんだ。自分も受け入れなければいけない」
「何えらそうな事をいっているのよ。どうせわたしのこと誰も見てくれないのよ!」
「僕が・・・僕がいるよ・・・」
「うそ!どうせファーストの事が好きなんでしょ!」
「綾波のこと好きかもしれない。でも違うんだ。アスカが初めてだったんだ。本気
で言い争ったり、お弁当作ってあげたり、一緒の時間をすごしたり・・・。楽し
かったんだ。アスカと一緒にいると。だからこれからも一緒にいたい。」
「ホントに・・・?」
「本当だよ!」
「・・・。わたしも・・・ここに来てからが楽しかったかもしれない。ドイツにい
たころは誰もわたしをわたしとして見てくれない。エヴァのパイロットとしか見て
くれない。いやな大人しか回りにいなかった。でも、ヒカリたちみんなに出会えて
・・・」
アスカはふすまを開けシンジをじっと見ている。
「本当にわたしのこと見ていてくれる?」
「うん」
「わたしのこと大切にしてくれる?」
「大切にする」
「わたしのこと・・・好き?」
「・・・好き・・・だ」
「わたしもシンジのこと好きになってもいいの?」
「うん」
アスカはシンジの胸にうずくまって泣いた。
「わたしも、わたしも初めてだった。楽しいって感じたの。シンジと一緒にいて楽
しいって。うれしい。ありがとう」
「アスカ・・・」
「これからも、これからもずっと一緒だよね」
「ずっと一緒だよ」
「ありがとう、シンジ。わたしもシンジのこと好き・・・」
後書きと称したたわごと
やはり、シンジ×アスカなSS書きとしては絶対に書きたいと思っていた話。
豊泰やインターネットでもたくさん見かけた話ではあるが、やはり自分でも書きたくなったわけです。
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