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【SS】添い寝
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「ねえシンジ、せっかく学校が早めに終わったんだからどこか遊びに行こうよ」
「だめだよ、洗濯物が結構たまっているし、部屋の掃除もしなきゃいけないし」
「ぶー、つまんないの。それじゃヒカリとどこか遊びにいこーっと」
「じゃ、先に帰ってるから」
そんなやりとりをしたあと、シンジは急いで家にもどった。
家に帰りつくなり、たまっていた洗濯物を洗濯機に放り込み、掃除機で部屋を掃
除をした。そして一段落ついたときシンジは睡魔に襲われた。
(何か眠くなってきたな。夕飯まで時間はあるし、少し横になろうかな)
まもなくして、アスカは少し遅れて帰ってきた。
「たっだいま〜!なんかおやつなぁ〜い?」
しかし、返事が無かった。
「おっかしいわね〜、シンジ先に帰ってきているはずなのに」
そういいながらリビングに入ってみると主夫業の疲れからかシンジは昼寝をし
ていた。
「なんだ、昼寝していたのか。こんなところで寝てたら風邪ひいちゃうじゃない」
アスカは自分の部屋にいくと一枚のタオルケットを持ってきてシンジに掛けて
やった。
「しかし幸せそうに寝ているわね〜」
シンジの顔を覗き込みながらアスカは頬づえをついている。
「ふぁ〜ぁ、何かわたしまで眠くなってきちゃった」
アスカは回りを見回すとふすまを閉じた。
「ミサトはどうせ遅く帰ってくるだろうし、ちょっとぐらいはいいよね。シンジ
目が覚めたらびっくりするだろうな」
と言いつつタオルケットのなかに潜り込んだ。
しばらく時間がたち、隣に何か気配の感じたのかシンジは目を覚ました。
(あれ、タオルケットが掛けてある。誰か掛けてくれたのかな)
そんなことを思いながら気配のした方を見るとアスカが眠っていた。
(なんだ、アスカか・・・って何で隣に寝ているんだ!?)
シンジは驚いたが、アスカの寝顔を見ていくうちに幸せな気分になっていった。
(起こすのかわいそうだし、もう少しこのままにしていこうかな・・・)
そんなことを思ってアスカを見つめているとアスカも目を覚ました。
「あ、アスカ、タオルケットありがとう・・・」
「ウン?・・・え?・・・い、い、いつのまに目を覚ましたのよ!」
アスカもシンジも顔を赤らめている。
「さっき・・・」
「目が覚めたのなら起こしてくれてもいいじゃない」
「え・・・いや・・・起こすのかわいそうだと思ったし・・・それに・・・」
「それに?」
「・・・アスカの寝顔かわいかったから・・・」
ボンっと音を立てるようにアスカはさらに赤くなった。
「あ、あ、あたしがかわいいのは・・・と、当然でしょう!」
「ふふっ」
「なにがおかしいのよ!」
「べつに・・・」
「べつにって・・・ふふふっ」
「「はははっ」」
いつしか二人で微笑んでいた。
「ねぇ、夕飯なんにする?」
「シンジの作るものならなんでもいいわ」
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実に平和な一日である・・・
後書きと称したたわごと
豊泰の「鉄コン筋クリート仲間」MORITAさんのSS読んで思いついた話。
最初MORITAさんのSSに感想を送り、そのおまけに付けた話でMORITAさんから「痛い」という感想をもらった(笑)
その後に加筆修正して本作品となる。
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