−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【SS】おたんじょうび
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
12月4日、その日のアスカは朝から最高に機嫌がよかった。
「ヒカリー、おはよー」
「アスカ、今日誕生日だよね。おめでとう。これプレゼント」
「ありがとうヒカリ」
「アスカなんか機嫌いいわね。碇君になにかもらったの?」
「まだ何も。でもね・・・」
話は前日の夕飯までさかのぼる。
「アスカ、一日早いけどお誕生日おめでとう」
「ありがとう、ミサト。でもどうしたの?」
「急な仕事入って明日の朝早くから出かけないといけないの。それに帰りも遅くな
るかもしれないから。でも、そしたら二人っきりのお誕生会ってわけね。
上手くやるのよアスカ」
「な、なに言ってんのよミサト」
「照れない照れない。シンちゃん、そんなわけだから明日の朝食と夕飯はあたしの
分いらないから」
「はい、ミサトさん」
「シンちゃん、二人っきりだからっておそっちゃだめよん(ハァト)」
「み、ミサトさん!なんてこと言うんですか!」
そして夜が明け朝食のとき、
「アスカ。誕生日おめでとう」
「ありがとう、シンジ」
「それで、今日ミサトさんいないし夕飯外で食べない?」
「夕飯だけ?」
「う〜ん、映画も見に行こうか」
「ホント!ありがとう」
そして場面は戻る。
「へぇ、そうなんだ。いいわね、誕生日にデートに誘ってもらえて」
「そ、そんなんじゃないわよ。ただ一緒に映画見て外で食事するだけなんだから」
ヒカリは(それをデートっていうのよ)と心の中で突っ込んだ。
放課後になり二人は一度家に戻り服を着替え再び出かけた。
第三新東京市のある映画館では20世紀に流行したアニメが週替わりで2〜3本
ずつ放映されていたが、今週は1997年夏に放映された「も○のけ姫」と「新世
紀 某」が放映されていた。
「ねぇシンジ、こっちの『新世紀 某』にしない?」
「えっ、そっちはあまり面白くないって話だけど・・・」
「え〜、だって面白そうジャン。なんかあたし達に似てて」
そう、アスカが選んだのは「新世紀 某」である。巨大な汎用人型決戦兵器に
乗って謎の生命体と戦う14歳の少年少女の物語というのがアスカの興味を引い
たらしい。
二人は映画館に入っていった。
さて映画を見終わった二人であるが、
「ねぇシンジ、結局何が言いたかったのかしらね」
「何だったんだろうね」
「なんでこんなのが流行ったのかしら。こんなの見る人の気が知れないわ」
悪かったな、7回も見に行って(火暴)
「シンジ、何か言った?」
「いや、なにも。変な声がしたようだけど」
「それより今度来るときは『も○のけ姫』にしましょう」
「えぇ、また来るの?」
「いや・・・なの?」
「ううん、じゃ今度の休みにこようか?」
「うん!」
などと次のデートの約束しながら二人はファミリーレストラン目指して歩いてい
る。セカンドインパクトの影響もあり万年夏という気候になったとはいえ、12月
ともなればクリスマスの飾りつけで街はにぎわっている。そんな飾りつけをアスカ
は目を輝かせながら眺めており、そんなアスカを見ながらシンジは可愛いなぁなど
と思いながらも、クリスマスのプレゼントはどうしようかななどと考えていた。
さてファミリーレストランで食事をしながら取り留めのない会話をする二人。
食事も終わり少しずつ言葉が少なくなっていく。
「・・・」
「・・・」
「たまには外食もいいわね」
「そうだね」
「・・・」
「アスカ、今更だけど誕生日おめでとう」
「うん」
「それで、これ、あの、プレゼントなんだけど・・・」
「あ、ありがとう、シンジ・・・」
・
・
・
後書きと称したたわごと
12月4日はアスカの誕生日!
と言うわけで書いた作品なんですが、宮城ではその3日前に弐拾参話放映だったりしたために、それ以前から書いていて4日にあわせてアップした。
そんなわけでちょっとあせり過ぎてしまい中途半端になってしまった。
戻る