−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【SS】えんどれすわるつ
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
それはある日のこと。ミサトが自分の部屋でなにかごそごそとしている。
そこに仲良く現われるこの二人。
「ミサトさん、なにしてるのですか?」
「ん?、部屋の掃除」
「「み、ミサト(さん)が掃除ぃぃっ?」」
「な、なによ、大袈裟に驚いたりして。私が掃除しちゃいけないってぇの?」
「そんなことしたら雪降ってくるじゃないのよ」
「あ、僕、雪見たことないです」
「し、シンちゃんまでそんなこと言うわけ・・・(怒)」
「(無視)それよりミサト、何この黒い円盤」
どこからか持ち出したのかアスカは黒い円盤状のものを持っている。
「あら、レコードじゃないそれ。どこにあったの?」
「この箱の中」
そう言ってアスカは箱を指差す。その中には何枚かのレコードが入っている。
「ふ〜ん、これがレコードね。セカンドインパクトの前のものなんでしょ」
「そうよ、父さんが大事にしてたものなんだけど、いつのまにか持ってきてしまっ
てたのね・・・」
ミサトは懐かしいような何とも言えないような複雑な表情をしてレコードを眺め
ている。
「ミサトさん、このレコード聞けないんですか?」
「プレーヤーがあれば聞けるけど、今もあるかしらね」
「もってきてないのですか?」
「う〜ん、父さんが持っていたのは結構大きなやつだったから、多分この中には
ないわね」
「そうですか・・・」
シンジはどんな音楽が録音させているのか興味があったのだが、聞けないと
わかるとちょっと残念そうにした。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
それから何日かたったある日の夕方。いつものようにミサトがネルフから帰って
きた。
「たっだいまぁ〜」
「おかえりなさいミサトさん。あれ、それはなんですか?」
よく見ると四角くて平べったい機械のようなものを抱えている。
「ああ、これ?。レコードプレーヤーよ。
ネルフのみんなに聞いてみたけど誰も持っていないようだったからリツコに作ら
せたのよ」
「じゃあ、あのレコード聞けるんですね」
「そ、後でみんなで聞きましょ」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
さて、夕食を食べ終え、レコード鑑賞をすることにした。
「とうさん、こんな曲聞いていたんだ・・・」
「こうやって、みんなで音楽を聞くのもいいですね」
音楽とともに聞こえてくるわずかなノイズがあるが、不思議と不快ではなく、
それどころか趣深いものがあったりする。
しばらくいろんなレコードを聞いていたのだが・・・
〜〜〜プチ・・・
〜〜〜プチ・・・
〜〜〜プチ・・・
「むぅ〜〜、なんなのよこれは・・・」
「ありゃぁ〜、よく見るとこのレコード結構傷ついているわね」
「どうしたんですか?」
「レコードなんか傷ついてたりすると、そこで針が別のところに飛んだりするのよ
ねぇ」
「へぇ〜、そうなんですか・・・」
静かな落ち着いた感じの音楽を奏でていたそのレコードはしばらく同じフレーズ
を繰り返していた。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
さらに何日かたったある日のこと。今日、ミサトは泊まり込みの仕事で家にはい
ない。アスカはミサトの部屋からレコードとプレーヤーを持ち出してきた。
シンジは夕食の後片付けで食器を洗っている。
「ねぇ、シンジ。一緒に音楽聞かない?」
「あ、いいね。もう少しで食器洗い終わるからまってて」
「そんなの後でいいから、ほら」
「もぉ、しょうがないなぁ」
口では文句を言いながらも、その顔は嬉しそうにしている。
しばらくの間二人は静かにレコードを聞いていた。何枚か聞いたあとアスカは、
「ねぇ、このレコードに合わせて踊らない?」
「いいけど、そのレコードって同じところ繰り返していたやつじゃないの?」
「そんな細かいことはいいから踊ろ」
「うん」
二人はあまり踊りのことは詳しくなかったが、ユニゾンのおかげかその息はぴっ
たりあっている。しばらくするとレコードは同じフレーズを繰り返していたが、
二人にとってそれはどうでも良かった。
(こんな風にいつまでも一緒にいたいね・・・・・・)
後書きと称したたわごと
元ネタは9/18放送分のドラえもんだったりします。
なんとなく見ていたら思い付いてしまいました。
タイトルですけど、これはドラえもんを見ていてレコードのくだりで、なぜか
この単語が思い付いてしまいました。なぜだろう?
でも、ちょっち弱いかな・・・
しかし、久々にほのぼのとしたSSを書いたらすっごく筆が進む進む(^^)
やっぱりシリアスよりもほのぼのしたほうが肌に合う(ハアト)
さあ、予定どうり出張中にアップしたぞ<をい
戻る