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           【SS】それぞれの季節(3)
            〜〜〜それぞれの夏〜〜〜
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 夏と言えば夏休みである。そして夏といえば海である。

 シンジ、アスカ、レイ、トウジ、ヒカリ、ケンスケのいつもの面々は中学3年
最後の思い出として泊まりがけで海にでかけることにした。

 海に到着した一同は早速水着に着替えた。そして、ビーチボールで遊び始めた。

「少し喉乾いたわね」
「そうやな」
「何か飲み物買ってこようか」
「あ、私が行ってくるわ」
「じゃあお願いね、ヒカリ」
「うん。鈴原も手伝って」
「ワイもか?」
「一人で六人分持てると思っているの?」
「しゃーない、手伝ってやるか」

 そして、ヒカリとトウジはジュースを買いにいった。
トウジとヒカリが戻ってくるまでの間、アスカ、シンジ、レイの順で座って海を眺
めて話をしていた。

「早いものだね、僕たち出会ってからもう一年以上になるんだ・・・」
「つらいこともたくさんあったわね・・・」
「でも・・・私達は出会うことができた・・・」
「不思議だよね、あのころは嫌で嫌でしかたなかったのに今となっては懐かしく思
 える」
「あのころはエヴァがすべてだと思っていた」
「エヴァがみんなとの絆だと思っていた」
「すべて終わったときあたし達落ち込んでいたけど・・・」
「碇君が助けてくれた・・・」
「僕は何もしていないよ。二人が僕を助けてくれたんだよ。何もないと思っていた
 ぼくを・・・」
「そうよね、シンジ。あたし達がいないとあぶなかしいもんね」
「なんだよ、それ」
「碇君、一人だと何するかわからないもの」
「綾波まで〜(T_T)」

 しばらくしてヒカリとトウジが戻ってきた。

「ヤッホー!おまたせー!」
「センセ、盛り上がってるとこすんまへんな。ん?、どないしたんやケンスケ」

 ケンスケは話題に入れずただただ涙を流していた・・・

 一休みした後、六人は再び遊び始めた。
しばらくするとトウジとヒカリはいつの間にか見当たらなくなっていた。

 アスカは海辺ではしゃいでおり、それをシンジとレイは眺めていた。不意にアス
カはシンジに水を掛けてきた。

「わっ!急になにすんだよ」
「なに二人してぼーっとしているのよ。せっかく海に来たんだから泳がないと損じゃ
 ないの」
「そう言っても・・・」
「いいから来なさい!ほら、レイも!」

 アスカはシンジの手をとって海へ入っていった。そしてしばらくの間、三人は水
をかけあって遊んでいた。

 ケンスケは・・・何も言うまい(火暴)

 そしてその日の夜

「ねぇ、シンジ。散歩しない?」
「いいけど」

 しばらく歩いているとアスカが話しかけてきた。

「ねぇシンジ・・・。あたし、日本に来てやっぱりよかった!」
「どうしたの急に?」
「あたしね、ドイツにいた頃、友達らしい友達なんかいなかったんだ。
 ほら、あたし大学行っていたから、回りは嫌な大人ばっかりだった。
 でも日本に来てヒカリや、3バカの二人や、レイ、そしてシンジ・・・
 みんなに出会えたんだから」
「僕もね前に住んでいたところには友達なんかいなかった。
 トウジやケンスケがいなければ第三新東京市に残ってなかったし・・・
 それにアスカや綾波に出会えたんだ。たしかに嫌なこともたくさんあった。
 でも、それが無ければみんなに会えなかったんだから不思議だよね・・・」
「そうね・・・」

 また、しばらく歩いていたら空を眺めていたレイに出会った。

「綾波、どうしたの?」
「星、眺めていた・・・」
「星?、そういえば三人で星を眺めた事もあったね」
「なつかしいわね・・・」
「私・・・以前は何もなかった・・・」
「綾波・・・?」
「でも・・・碇君が来てから私は変わった・・・
 碇君は笑うことを教えてくれた・・・泣くことを教えてくれた・・・
 エヴァが無くなったけど、絆は消えなかった・・・」
「僕たちはいつも一緒だよ・・・」
「あたし達、友達じゃない!」
「他にも仲間達がいるんだし」
「そうね・・・」

 三人はしばらく空を眺めていた・・・



「それぞれの秋」へ続く


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