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             【SS】ATフィールド
              〜 プロローグ 〜
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 ある日、目が覚めた。
 まわりには自分以外誰もいなかった。
 自分は永遠に近い命をもっている。
 でも、自分以外誰もいない。
 心が痛い。
 遠くから懐かしい感じが漂ってくる。
 そこに帰ることができれば痛みから開放されるのか。
 自分はそこに向かっていった。
 途中、小さなものが攻撃してくる。
 何かがぶつかってくる。
 何かが爆発する。
 でも、自分は死ねない。
 『壁』があるため死ねない。
 大きなものが現れた。
 帰るのを邪魔しに現れた。
 どうしても帰りたい。

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 使徒の生命の源『アダムの卵』
 セカンドインパクトにより消滅する。
 しかし、その後に目覚めた使徒は『リリスの卵』目指して歩いていく。

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 キールローレンツ
 彼は人一倍『死』を恐れていた。
 後々、彼は体を機械に置き換えていく。
 そんな彼は『裏死海文書』を手に入れる。
 そこには『ヒト』の起源、『使徒』の起源が書かれていた。
 『ヒト』は『リリスの卵』より『知恵の実』をもって生まれた。
 『使徒』は『アダムの卵』より『命の実』をもって生まれた。
 そして、セカンドインパクト、サードインパクトについて書かれていた。
 『使徒』が『アダム』に接触したとき、接触した使徒以外、全てが無に帰すると。
 キールはまず『命の実』に興味を持つ。そしてセカンドインパクトに恐怖する。
 しかし、『ヒト』の手によりセカンドインパクトを起こすことによって被害は小
さくすることができた。
 キールは次に『使徒』の持つ『命の実』を手に入れることを考える。
そして『知恵の実』『命の実』両方を持つ新たな生命に生まれ変わることを望む。
 ロンギヌスの槍『命の実』の種。
 リリス『ヒト』の起源。
 これらによって『死』の恐怖の無い新たなる生命となることを。
 こうしてキールは『死』の恐怖(滅びの宿命)より生まれ変わる喜び(再生の喜
び)が勝っていった。

 そして今、『補完計画』は発動した。

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 碇ゲンドウ
 彼は人と人との間にある『壁』に恐怖していた。
 自分をうまく表現できない。他人の事が判らない。他人は自分をどのように思っ
ているのか。
 それらは重くゲンドウにのしかかってくる。
 それは、人の間にある形もなく目にも見えないもの『壁』のせいだと思っていた。
 彼は『壁』を取り除くことができないものかと考えていた。
 そこに『ゼーレ』の噂を耳にする。
 ゼーレの噂をたどっていくうちに碇ユイと出会うことになる。
 ゲンドウはふと気付くとユイの事を考えるようになっていた。
 ユイは『壁』をこえてゲンドウの(心の)中に住みついた。
 ゲンドウは『神への道』を求めた。『壁』の恐怖を取り除くために。
 しかし、ユイがエヴァに取り込まれてしまう。
 それから『神への道』は、ゲンドウはユイに再び会うための物に変わっていく。
 『壁』を取り除き、全てが一つの生命になることができれば、ユイに再び会うこ
とができ、失うことはない。同時に『壁』の恐怖が無くなる。
 そして『補完計画』を思いつく。
 ユイのクローンでありリリスから生まれた最後の魂を持つレイを媒体として、人
類の融合を目指す。
 ロンギヌスの槍は人類の融合には邪魔であった。
 使徒は『壁』の恐怖の象徴でしか無かった。
 最後の使徒が滅んだ今こそ人類の融合を目指すとき。

 そして今、『補完計画』は発動した。

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 使徒は『ヒト』の心に興味をもった。
 自分と違い、同じ形をしたものがたくさんいる。
 なのに心を痛めている。
 それが『寂しい』ということを理解する。
 最後の使者『渚カヲル』。
 彼はゼーレの手により『ヒト』と同じ形になった。
 そしてカヲルは碇シンジと出会う。
 他の使徒と同じように寂しい思いを胸に抱いていた。
 しかし、シンジと出会い一緒にいることによってその心の痛み『寂しさ』を忘れ
ることができた。
 シンジにとってカヲルが特別の存在であるのと同じようにカヲルにとってもシン
ジは特別の存在であった。
 だが、カヲルもまた『アダム』の元へ目指す。
 しかし、目の前にあるものは『リリス』であった。
 カヲルはシンジに未来を託すのであった。


第1話「傷つけあう二人」へ続く

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